カレンダー
カテゴリー
プロフィール
最新記事
最新コメント
空に光はなく、私が願う望みも無い。
[PR]
2024.11.23 02:36
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
不寝番。
2007.12.15 23:13
「この戦いが終わったら、どこかの田舎にでも暫く腰を落ち着けないかい?」
体のほとんどを濃い色の布で覆った忍者の男が、横に立つ竜騎士の女に声をかけた。戦闘中上げられる顔面鎧は今は下ろされ、秀麗な美貌を外気に晒している。
「唐突だな」
言葉の割に表情は全く変えずに女が返す。男が顔布を外して小さく笑った。
「あはは。でも前から考えてはいたんだよ。まあ、今の仲間との旅も、楽しいから好きなんだけどね」
「私も別に、嫌いじゃない」
「ハル君達と旅を始めてから色々あったしねぇ。色々っていうか、どれも割と無茶苦茶だったけど」
「一番冷静に戦略を立てるのはあいつだが、一番無茶な戦略を立てるのもあいつだからな」
「言えてる」
言って、パーティーのリーダーとも言える白魔道士の青年を思い浮かべる。今は、相棒の格闘家の青年と、もう一人のパーティーの仲間であるアイテム士の少女、それと、彼らの雇い主たち一行と一緒に仮眠をとっている。
酷く繊細なように見えるかの青年は、その儚げな容貌とは相反して実はかなり過激なところがある。戦闘前にラバーシューズを履かされて、戦闘開始と同時に問答無用で算術でサンダガを放たれた時には、流石の彼も驚いた。相棒の女性も、珍しく驚きを表情に表していたくらいだ。
その時の事がありありと思い出されて、男は再びくすりと小さく笑みを浮かべた。
「僕が竪琴を弾いて、君がそれに合わせて踊って、それで暫くは生計を立てられると思うんだけどな」
「……悪くはない。が」
女性の言わんとすることは多分、自分の考えていることと同じだろうと思い、男はもう一度声を立てず笑った。
「退屈な生活だ。3日で飽きるだろうな」
「あはは。だよねぇ」
そろそろ、不寝番も交代の時間だ。
体のほとんどを濃い色の布で覆った忍者の男が、横に立つ竜騎士の女に声をかけた。戦闘中上げられる顔面鎧は今は下ろされ、秀麗な美貌を外気に晒している。
「唐突だな」
言葉の割に表情は全く変えずに女が返す。男が顔布を外して小さく笑った。
「あはは。でも前から考えてはいたんだよ。まあ、今の仲間との旅も、楽しいから好きなんだけどね」
「私も別に、嫌いじゃない」
「ハル君達と旅を始めてから色々あったしねぇ。色々っていうか、どれも割と無茶苦茶だったけど」
「一番冷静に戦略を立てるのはあいつだが、一番無茶な戦略を立てるのもあいつだからな」
「言えてる」
言って、パーティーのリーダーとも言える白魔道士の青年を思い浮かべる。今は、相棒の格闘家の青年と、もう一人のパーティーの仲間であるアイテム士の少女、それと、彼らの雇い主たち一行と一緒に仮眠をとっている。
酷く繊細なように見えるかの青年は、その儚げな容貌とは相反して実はかなり過激なところがある。戦闘前にラバーシューズを履かされて、戦闘開始と同時に問答無用で算術でサンダガを放たれた時には、流石の彼も驚いた。相棒の女性も、珍しく驚きを表情に表していたくらいだ。
その時の事がありありと思い出されて、男は再びくすりと小さく笑みを浮かべた。
「僕が竪琴を弾いて、君がそれに合わせて踊って、それで暫くは生計を立てられると思うんだけどな」
「……悪くはない。が」
女性の言わんとすることは多分、自分の考えていることと同じだろうと思い、男はもう一度声を立てず笑った。
「退屈な生活だ。3日で飽きるだろうな」
「あはは。だよねぇ」
そろそろ、不寝番も交代の時間だ。
PR
Comments
Comment Form
Trackbacks
Trackback address :